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日記を主に、SSやイラスト,ネタバレ前回の語りなど。 何が飛び出すか分かりまセン。
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なんつーか、リカルドって、可愛いと思う。
10も年上の男に使う形容詞じゃねェって言われたらそれまでだけど、本当にそう思うんだから仕方ないじゃねーか。
大人びてる…て、実際の大人に言うセリフじゃねーけど。世間慣れしてるくせに、偶に妙に素直じゃなくて照れた顔なんてして見せたりさ。
実はオレ、結構それが好きだったりする。

あと、なんかエロい。
いや、セクシーって言うのか?
…やっぱ、エロいで合ってるかな。うん。
普段は、アレだ。えーと…ストイック?
とにかくそんな感じのクセに、実は結構、ヤらしかったりする。
野外でも気にしねーでヤるし、激しすぎて翌日は足腰立たないっつーの。こっちは前衛なんだからもう少し考えやがれ。

あと、そうだ。風呂上がりの姿とかもマジでヤバい。
漆黒に濡れた髪を下ろして、上半身は何も身に着けてなくて。
何て言ったら良いのか分かんねーけど、とにかく、エロい。
このオッサン、フェロモン垂れ流してんじゃねェの?
見ててすっげードキドキする。
顔は火照るし頭はクラクラしてくるし、それもこれもヤらしすぎるリカルドが悪い。

「……ベルフォルマ、顔が赤いが大丈夫か?」

うっさい。アンタが好き過ぎて仕方ねェんだよ。
分かったら黙って責任取りやがれ!
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細い、体をしていると思う。
決して華奢というわけではない。細いといっても傭兵をしているだけはあって、無駄な肉のないバランスの取れた強靭な躰をしている。
それでも前衛で駆け回り双剣を振るスパーダと比べてしまえば、やはりこの男は細い。
病的なまでに青白い肌をそろりとなぞりながら、この男はこんなゴツい躰を抱いて何が楽しいのだろうと不思議に思った。
スパーダとしては、まだ自分がリカルド程に細身ならばもう少し彼の気持ちも理解出来るのだろうが、未だにその気持ちは理解出来ていない。ただ、不器用ながらに好かれている実感はあったし、何が楽しいのかは分からないが、リカルドがこの躰に跡を付ける時に僅かながら表情を崩すのを、スパーダは知っていた。
ただ、見えるか見えないかギリギリの場所に跡を付けてはスパーダの反応を楽しんでいる節もあるので、それは少し気に入らないが。

(あ。なんかムカムカしてきたかも)

その時の表情を思い出し、湧き上がった苛立ちを抑えようとしたスパーダは。
惹かれるように、リカルド広い胸元に唇を寄せた。

「――ん」

鬱血を一つ。
思った以上に綺麗に付いた跡に、スパーダは満足げに頷いた。起きた時にでも気付いて、慌てるがいい!
しかしよくよく考えてみれば、この位置では彼が常に纏っている漆黒のコートの奥に隠されてしまうではないか。それではちょっと、つまらない。
ならば唯一露出している場所は…と、スパーダはほぼ無意識のうちにリカルドの首筋――服を着ても見えるようにと顎の下あたりに吸い付いた。

(…なんか、やってることハズくないか?)

胸元のキスマーク同様ハッキリ刻まれた跡を見ると、満足感が湧き上がるのと同時に羞恥心が込み上げる。慣れないことはするものじゃない。

(まあ、偶には、な)

しかし、リカルドはこの跡に気付くだろうか。
正面からは見難い位置に付けたから、きっとこの男は気付かないだろう。
下から覗き込めば良く見えるようになっていたから、エルあたりに指摘されて、漸く気付くくらいか。
その時のリカルドの慌てふためく様子と照れた顔を想像して、スパーダはにんまりと笑った。

「俺としては、誰かに気付かれようと一向に構わないのだが?」
「――っ!?」

眺めていた男の口が、目よりも先に開く。
そしてゆっくりと開かれた蒼の瞳と視線が絡んだ瞬間、一気に顔がカッと熱くなるのを感じた。

(―――コイツ、起きてやがった!!)

あまりの出来事に、唇が戦慄く。

「い、いつから起きてた?」
「そうだな。少なくとも…」

リカルドの指が、つい先程スパーダが付けた胸元の鬱血を、スッと撫でる。

「この、跡を付けられるよりはだいぶ前だな」

そうして艶やかに笑って見せたリカルドの様子に。
今度こそスパーダは言葉を失ったのだった。
「そうか」

男はただ、それだけを返した。
なんとなくこれ以上男の視線にさらされるのが耐えられず、スパーダはふいっと顔を背ける。だから、スパーダは男の動きに一切気付かなかった。気付いた時には既にスパーダの躰は宙に浮き、地面から遠ざかり。

(あ、れ――?)

小さな掛け声とともに男の肩に担ぎ上げられたと理解したのは、数秒経ってからだった。

「待て、何すんだよオッサン!」

急なことにジタバタと暴れるスパーダに対し、男はしれっと答える。

「その様子では病院に行きそうに無かったからな。このまま野垂れ死なれては寝覚めが悪いから手当てくらいはさせて貰うぞ」
「はぁ!?それくらいで死なねーよ!」

怪我だって見た目程には酷くないのだ。不意打ちを喰らいはしたが少し切っただけだし、スパーダの服を汚す血の半分は返り血によるもの。殴られた頭はガンガンするし足を捻ったせいで身動きは取りにくいが、見ず知らずの男に助けて貰う程に重傷という訳でもない。
けれどもそれをどんなに訴えようと、男は気にする素振りなど見せない。

(マズいマズいマズいマズいマズいだろオレ!!)

「離せ――!!!」

人気の少ない住宅街に、ただ、スパーダの叫びが虚しく響き渡った。






(企画部屋より移動)
男は、全身黒かった。
一歩一歩近寄る、闇に溶け込むような出で立ちのその男に、スパーダは警戒を露わにする。怪我をし血に汚れたスパーダがあからさまに睨み付ければ近寄り難い雰囲気があるだろうに、男は躊躇なく歩を進め、スパーダの目の前に立った。

「無理に動けば傷に障る」
「コレくらいどうってことねーよ」

再度発せられた台詞に、吐き捨てるよう応えて。
どこかに行っちまえと目で語るスパーダに対して、止めておけば良いものの更に男は質問を重ねてくる。

「家は?」
「ハン、おっさんには関係ねェだろ」

分かったらさっさと行けと、今度はハッキリ身振りで示す。
正直なところ、放っておいて欲しかった。
おおかた、家に連絡するつもりなのだろう。全く、冗談じゃない。
過去、こうやって補導しようとしてくる連中には、心配している振りをして結局は腫れ物に触るように扱われてきた。
そこにあるスパーダなりの事情や想いなぞ知りもしないで。
ならば、始めから放っておいて欲しいのに。
そんなスパーダの思いを、どうやらこの男は汲み取ってはくれないようだった。
むしろ、更に一歩踏み出した男はスパーダの方へと手を伸ばし、なおも言葉を重ねてくる。

「その傷ではろくに歩けまい。送ってやる、と言ってるんだ」

予想に反して、よほどこの男は人が良いらしい。或いは酷く変わり者なのか。
どうやら一番危惧していたように補導しようとしていたのではないらしい男は、ただ純粋にスパーダが怪我をしていたので声を掛けて来たようだった。
腫れ物に触るようでもなく、侮蔑を含んでもおらず、あるがままに真っ直ぐ見つめてくる2つの瞳に、スパーダは徐々にいたたまれなくなる。
だから。

「――ねぇよ」

その、言葉が零れたのは、無意識のことだった。

「オレに、帰る家なんてねぇ」

言うつもりなんて、無かったのだ。
まるで、同情を誘うかのようなこんな台詞を。



(企画部屋より移動)
―――しくった。
上手く動かせない体を引き摺るようにして、それでもなんとか起こした上体を壁に寄りかからせて、スパーダは息を吐いた。
そう。しくじったと言うしかない。或いは油断したとでも言うのか。
スパーダ決して有名人というわけではない。だが、知る人ぞ知る、とでも言うのだろうか。若干幼さの残した整った容貌をしている割に、ガラが悪く売られた喧嘩はきっちり買い、しかもかなりの腕っ節。ともなれば、変に絡まれることが暫しある。
当然、伸した相手も数知れず。その時にちょっとばかり金をせしめたことも何度かあった。あまりそういうのは好きではないが、生活の糧にしているのだから仕方ない。
数時間前、スパーダの背後からいきなり殴りかかってきたのは、過去そのように関わって奴らだった。
不意打ちを食らったとはいえ、本来スパーダの強さをもってすれば返り討ちにすることくらい簡単だ。
ただし、それにも限度がある。多勢に無勢。1人で20以上もの相手をするのはやはり無理があるというもの。
ただで遣られるスパーダではないが、ちょっとやそっとじゃ負けないという油断の結果がこの様だ。

「クソッ。情けねェ…」

血の混じった唾を吐き出して。
どうやら捻ったらしい足を庇うように立ち上がった時だった。

「無理はしない方がいい」

その、男が声を掛けてきたのは。




(企画部屋より移動)

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