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日記を主に、SSやイラスト,ネタバレ前回の語りなど。 何が飛び出すか分かりまセン。
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執務室に入り真っ先に目にした机に向かうピオニーの姿に、ジェイドは僅かに動きを止めた。
今日もまた抜け出したかサボってペットとして愛玩している家畜と戯れているかと思っていたのだが。もしや明日は槍が降るのではなかろうか。
ノックも無しに入室を果たした家臣に、いつもの事と捉えているのかピオニーはどうしたとだけ口にする。視線は相変わらず机に向けたままで真剣に何かを 書き連ねているようだった。
何か重大な事でもあったとでもいうのか。けれども先程の問いに答えず歩み寄るジェイドを止めない様子から、自身が知ってはならぬ機密ではないらしい。
本来ならこの様に彼の許可なくしてその傍らに立つなど畏れ多いことなのだが、それはそれ、これはこれ。ジェイドは気にせずピオニーの後ろに回り込み彼の手元を覗き込んだ。
真白の紙面に連ねられていたのは、彼の性格からは意外な丁寧な文字の羅列。それらを軽く目で追ってジェイドは顔を顰めた。

「……陛下、何を書いておられるのです?」
「ん?見て分かるだろうが」

確かに彼が言う通り、それが何かは見れば分かる。出来ることなら分かりたくもないが。
けれどもジェイドが訊ねたいのはそんなことではないのだ。

「まだ、諦めてなかったのですか」

ピオニーが先程から綴っているのは、間違う事なく恋文。しかも相手は文面から察するにジェイドの妹であるネフリーに宛てたものである。

「おぅ!当たり前だ!ネフリーのように美しく聡明な女性などそう居ないからな!」

そう言ってピオニーは笑ってみせたが、ジェイドは知っている。
確かに彼は妹を愛している。けれども彼のその淡い恋心も今では形を変え、彼の中で存在し続けていることを。
それに名を付けるならば親愛、とでも言うのだろうか。当時のように身を焦がすような恋心ではないが、彼は彼女の事をとても大切に想っていた。

「それで?何故今更そのようなものを?」

訊ねれば、漸く書き上げたのだろう。ペンを立て手紙におかしな所は無いかと確認しながら彼は答えた。

「いやなに、バレンタインにお前づてでクッキーをくれただろう?だから礼をな」

高いものを寄越すとネフリーは怒るからな。だから寒さにも強い花の苗を贈る事にした。
そう言って笑う彼に漸くジェイドは合点がいったとばかりに頷いた。そういえばもうホワイトデーだったか。
確かにバレンタインにネフリーはジェイドを介してクッキーをピオニーに贈っていたし、彼の性格からいって礼はきちんとするだろう。それは例年からも分かるのだが。
しかし、それに添える手紙としては質が悪いようなラブレターだったようにも思える。まあ、ネフリー自身も彼の冗談として笑いながら読むのだろう。

「それにしても、人妻相手にそのような事をしてる暇があるのなら、子を成す事をもう少し真剣に考えて頂きたいものですね」

やれやれと肩を竦めれば、ピオニーはその嫌みをも受け止めて笑う。ジェイドを見詰め返す蒼は、総てを内包するかのようなマルクトの空と海。

「最悪世継ぎは養子でも取ればいいさ。どうも一人の女を愛でるのは性に合わん。
俺は……俺が愛しているのは、この国であり、民であり、そしてこの世界だからな」

いつだって彼は笑顔でそう言う。
その言葉には決して嘘などないのだろう。

総てを愛し受け入れる彼を。
皆同様に、彼を愛しているのだと。

まあ、今更告げる必要などないのだが。

 

 

 * * *

ホワイトデーSS。
ピオネフにするつもりだったんだけどな。あれ?どこで間違えた?
バレンタインに引き続き、珍しくノーマルです。
去年はバレンタインにレヴィローズを書いてたから~とバレンタインにノーマルを書いた川崎でしたが、去年レヴィローズを書いたのはホワイトデーでした(笑)
で、その時に「バレンタインにルークにチョコを配って歩かせたい」というような事を書いてましたが、2年連続でそれも叶わず(笑)
ならいっそ今年もノーマルで!と思って浮かんだネタがピオネフだったのです。
なんか、入れたかったセリフがだいぶ削られちゃったんですけどね。そしてちょっと脇に逸れたらピオネフじゃなくなりました(苦笑)
バレンタインのフリセシと共に加筆してサイトにきちんと上げてみたいものです(願望)

 

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カタン…

小さな音が室内に響き渡る。それを横になることなくベッドの端に腰を降ろしたまま聞いた。
そっと開いた窓からはビュウと風が吹き込み柔らかな髪を揺らす。
視線を向ければ黒衣を纏った待ち人の姿。逆光でよく見えなかったが、その口元には笑みを湛えていた。
腕を伸ばせば与えられる温もりと確かな鼓動。
その心地よさに、そっと瞼を降ろし唇が触れ合うのを待った。


そうして今日もまた、秘密の時間が過ぎていく……

 

(アシュルク/195字)

10.in the dark/秘密の

配布
∮regenbogen∮

 

 


バレンタイン。
自分の想いをお菓子に込めて女性から男性に愛を伝える日。
……らしい。

何故ここで「らしい」が付くのかといえば、セシル家復興の為にそれなりの若さで軍に従属していた為にそういったことに酷く疎いからだ。
ならば今でもなおバレンタインなどよく知らないのではないか、と言われればその通り。ただ、軍を退役し嫁ぐ身となった今、愛する人に贈ってみてはどうだと母の勧めがあったからこそ慣れない菓子作りになど励んでいるのだが。

「……難しいな。やはり」

ある程度予想はしていたものの、案の定とでもいうのか。慣れないどころか本当は初めての体験に、作業はどうにも進まない。
無残に散らかった調理場を前にして、ジョゼット・セシルは深く深く息を吐いた。
こんなことなら、大人しくシェフに助けて貰えば良かった。自分が菓子作りに励む姿など見られるのはどうにも恥ずかしくて、一人で作れると見栄を張ってはみたが、完成は遥か遠く彼方へ遠ざかっていく。
打開しようのないこの現状を認識し、ジョゼットは再度溜め息を零した。
と、そこで彼女の耳を打ったのはクスクスと小さな笑い声。
ハッと声のした方を見れば、そこには彼女の従兄弟であるガイの姿。

「ガイラルディア?何故、ここに…」
「久しぶりに顔を出してみたら、伯母上に助力を頼まれたんですよ。ジョゼット姉さん」

何でもないことのように言いながら、ガイは黒いエプロンを身に付けながらジョゼットの傍に歩み寄った。その姿は様になっていて、彼は料理など手慣れていることが分かる。

「せっかくだし…ご一緒しても?」
「そんなことを言って、お前はもうそのつもりじゃないか」
「まあ、そうですどね。でも実際、久しぶりに作ってみるのも良いかなって思ったので」

言いながら腕捲りをするガイの様子に、ジョゼットは首を傾げた。バレンタインは女性から異性に贈り物をする日ではないのか。
その疑問が顔に出ていたのだろう。ふと視線が絡めば、彼は小さく苦笑する。

「ファブレ家で使用人をしてる時は毎年ルークに作ってたんですよ」
「ルーク殿に?何故…」
「まさかメイドが主人にチョコを渡せるわけじゃないので、ね。俺が貰ってるのを見て、自分も欲しいと駄々をこねられたんです」

だから必要に迫られて仕方なく…
遠くを見て話すガイの様子に、彼は当時の主人を思い出しながら話しているのだろう。つられるようにジョゼットも想像し、そして笑った。

「なるほどな」
「まあ、そんな訳で多少なら手伝えるし。それに、その様子だと一人で作るより二人で作った方が楽しいと思うしね」

そう言って自分の眉間を差していることから、どうやら彼がここに着た時に己は眉間に皺を寄せていたのが容易に想像できた。
ゆっくりと肩の力を抜き息を一つ。

「そう…だな」

確かにその通りかもしれない。
ガイと幼い時に会ったのは数度しかなく、それは成長してからも同じことだった。それでも、彼と話すことはとても気楽で決して悪いものではなく…寧ろ心地良いとさえ感じる。

「それに、せっかくフリングス将軍にあげるチョコなんですから笑顔で作りましょう。必ず貴女の想いは伝わりますし、その方が彼も喜びますよ?」

言って笑う従兄弟の姿に。どうして彼はこんな天然誑しになったのか、ジョゼットは一瞬本気で考えてしまった。

 

 


なんだかんだで完成したチョコを悪戦苦闘しながらも包装し調理場を出ると、そこにはルークとジェイドが待っていた。彼らはどうやらガイを迎えに来たらしい。
ルークはというと、ガイの手の中に収まっている物を目にし、瞳をキラキラと輝かせた。

「悪かったな、時間をとらせて」
「んなこと良いって!それよりガイ!何を作ったんだ!?」
「あんまり時間がなかったからトリュフだな。後でお茶請けに出すからつまみ食いするなよ?」
「わ…分かってるって!」
「怪しい返事ですね」
「うっせぇ!」

そのやり取りに、毎年チョコを強請っていたという話を思い出し、吹き出す。

「……セシル将軍?」
「いや、何でもない」

コホンと咳払いをし誤魔化して。
ガイはまだ不思議そうにジョゼットを見ていたが、直ぐに視線を横にいるジェイドへと移す。

「それより、旦那…」
「ああ、構いませんよ。そろそろ一度陛下に報告しようと思っていましたし。それに」

にっこり。貼り付けた笑みを浮かべ死霊使いは言う。

乗り掛かった船ですから。

 

 


訳も分からぬままその一言をきっかけに、あれよあれよとアルビオールに乗せられ降り立った地は水の帝都グランコクマ。
心の準備をする前に一同に盛大に送り出され……そして今、自分は未来の旦那の前に居る。

「あ、あの……」

言葉が喉に詰まって何を言って良いのかが分からない。それでも必死に言葉を紡ごうとすれば、彼は…アスランは、ふわりと軍人らしからぬ穏やかな笑みを浮かべた。

「ジェイド大佐から貴女がこちらにいらしたと訊いて、驚きました」

それは当然の反応だろう。ジョゼット自身、自ら渡さず使いをだす予定だったのだから。

彼の仕事の邪魔をしてしまっただろうか。
はっきりと断らずにここまで来てしまったのは、内心彼に会いたいという愚かな考えがあったからで、それでも決して彼の邪魔をするつもりではなかったというのに。
俯いたまま顔を上げられずにいると、アスランは更に続けて言う。

「でも、ちょうど良かった…。貴女に渡したい物があったので」

そっとジョゼットの手を取り乗せたのは、綺麗に包装された小箱。
何事かと思わず相手の顔を仰ぎ見れば、彼は悪戯っぽく笑ってみせる。

「バレンタインの贈り物です。受け取って頂けますか?」
「バレン、タイン…?」

おかしい。バレンタインは、女性から異性に愛を込めて贈り物をする日で…。
けれどもそんなジョゼットの思考など知らないアスランは、おや?と首を傾げる。

「もしかしてキムラスカにはない風習なのか…?マルクトには、バレンタインの日は異性に…特に男性から女性に贈り物をする風習があるのですが」

本当は今日に間に合うように使いをだしたかったのですが、なかなか時間が取れなくて。だから、本当に良かった。
そう言って笑う彼に。ジョゼットはみるみるうちに顔が熱くなっていくのを感じた。
開けても?訊ねて開けた小箱から出てきたのは、アクアマリンのピアス。海のように深く澄んだ彼の瞳と同じ色に、自分はこんなにも愛されているのだと、歓喜が胸を覆い尽くした。
ああ、でもこれならきっと大丈夫。彼は喜んで受け取ってくれるだろう。
ジョゼットはこっそり隠し持っていたチョコの入ったを彼の前に突き出した。

「キムラスカにもバレンタインはあって、でもこちらでは女性からチョコなどのお菓子を贈る日で…それでアスランに食べて欲しくて作って来たんだけれど…」

勢いで告げてはみたが、言葉は上手くまとまらず語尾は小さく消えていく。
それでも。やはり彼は笑顔のままそれを受け取り僅かに目元を朱に染めながら一言、有難う御座いますと言った。
少し歪になったそれを、きっと彼は幸せそうに笑いながら食べ、美味しいと言ってくれるのだろう。
そんな直ぐの未来が容易に想像でき、ジョゼットも一緒に笑った。

こんな何気ない幸せがずっと続けば良い。
愚かしいと分かりながらもそんなことを願いながら……

 

 


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バレンタインなフリセシSS。
去年何気にレヴィローズだったから、今年はアルダとか?とも思ったけど、今朝電車の中で突如としてネタが沸いたので卒研発表そっちのけで打ってみました。
フリセシは公式カプで一番好き。

本当はあと、フリングス将軍について語りながらお菓子を作るセシル従兄弟と、アルビオールの中で女性陣に囲まれ恋バナに巻き込まれるセシル将軍の様子も書こうと思ったんだけど、長くなったので割愛。
しっかし、まさかここまで長くなるとは思わなかった…。

ガイとフリングス将軍がセシル将軍にどんな口調で話しているかがサッパリでした。
あと、普段SSではフリングス将軍にジェイドのことをカーティス大佐って呼ばせてるけど、実はジェイド大佐って読んでるんですよね彼は。
それと、将軍の瞳の色がグレー系か青かで悩んだんですが、正解はどっち?


アシュルクでバレンタインSSとか書こうかな?とも思ったんだけど、川崎の中のアシュルクはイベントがある毎にラブラブしながらお菓子を作ってるので、ワンパターン過ぎるので止めました。
どっちにしろお菓子作りはあったけど(笑)


 

 

護りたいと思った
護ろうと思った


正直、このレプリカは気に入らないのだけれど

余りに馬鹿でどうしようもなくてコレが自分のレプリカだなんて考えただけでも反吐が出る想いだが

それでも、偶に笑う顔が綺麗だと思った
同じ造りの筈の自分には決して出来ない綺麗なものだった


正直、このレプリカは好きになれないのだけれど

それでも、この笑顔を護りたいと思った
護ろうと決めた


この想いも…決して伝えないと誓った

 

 

(アシュ→ルク/189字)

09.cross my heart/胸に誓う

配布
∮regenbogen∮


日記お題SSSでアシュルクを書いてないことに気付いたので。

 

 
「やる」

差し出されたのは、泥にまみれた一輪の花

「…ルーク?」

僅かに躊躇しながらも、このルークが物をくれるということが珍しく…寧ろ初めてかもしれない…ガイは有り難くその花を受け取った
どうして…視線で問えば、彼はむくれた顔を作りふいと横に逸らす
照れたように朱に染まった頬を隠しているつもりなのか

「今日、ガイが屋敷に来た日だって聞いたから」

だから、やる


どうしようもなく不器用で素直になれない己の主人の思いがけない一言に

ガイは返すべき言葉が喉に詰まった

 


(ルクガイルク/223字)

08.mark with a white stone/ 記念日とする

配布↓
∮regenbogen∮

 

ガイとルークは最近どっちが右でどっちが左か分からなくなる(真顔
いや、だってアシュルクにハマる前はガイルクだった川崎も元々はルクガイから入った人だし。
しかしそう考えると珍しいな。普段は王道から入って茨道に逸れるタイプなのに。

因みに初めこのお題は絶対にウパラだと思ってました。ウパラとか記念日好きそうなイメージが。
相手をジェイドにするかフリングス将軍にするかガイにするかネフリーにするか悩んでたら何故かガイとルークに(笑)

 


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